カニパターンは、魚種やポイント(湾港部、大型河川、運河)によってルアーアクションが違います。ここでは、繊細なパターン、シチュエーションの中から搾りだす「クォリティーフィッシュ」の釣り方、および、東京湾奥のカニやエビ、貝などの甲殻類とハゼを狙うシーバスに対象を絞って解説します。
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東京湾奥の独特なカニパターンをマスター(体得)すると、一年中安定した釣果やカニやエビ、貝などの甲殻類とハゼをターゲットとする様々な魚種を釣ることができる。
一年中とはいえ、シーバスルアーフィッシングには季節があり、他のパターンからすると手返しが悪く、地味なパターンとなるので、他のロングキャスト、リトリーブがある派手なパターンが優先されてしまう。
このパターンを用いる期間は、秋から新年までのイナッコパターンが終息、春のバチパターンが本格化する間が多くなる。
湾奥カニパターンの特徴は、比較的大きなサイズが釣れ、メディアで言われている「居つき」や「ピン打ち」、「越冬シーバス」といった表現を理解することができる。
詳しくはないが、バスフィッシングの「ベイトフィネス」に考え方は似ているらしい。真冬にバスプロがメバルやカサゴを含め、カニパターンのガイド依頼が多くなるのみ頷(うなず)ける。
その1 絶好の攻略タイミングを狙いましょう
カニパターンは護岸や橋脚などの際(きわ)、「かけあがり」や「沈み込み」に身を寄せ(隠し)、「ベイトが落ちてくる」かつ「頭上を通過する」のを下から待ち構えているシーバスを絞り出す。
タイミングとしては、「いつでも」ということになるが、どちらかというと水中が荒れているタイミングとなる。
では、「荒れる」とはどのような状況か?というと強風により水面が波立っているポイントや、船の通過により波が護岸を叩く、航路に沿ったポイントとなる。
どの解説でも記載していて恐縮するが、捕食ターゲットの多様性を意識すると「下げ七」あたりが活性が高く、保有データとしても釣果がおおい。
釣れるタイミングを予測するには、天候、気温、水温、流れ、風をよく読むことが必要となり、繊細なパターンとなる要素である。この面倒な作業および思考を見える化しているのが「ツレダス」となる。
ツレダスによりAIが学習・発見した予測手法は、日射量が多いとシーバスが護岸やかけあがり、落ち込みへ張り付ている時間が、夜になっても長いことである。つまり、日射量が多い日はストラクチャーから離れないので、カニパターンの最適なタイミングとなる。
その2 落ちて静かに移動を演出しましょう
底および中層をシンキングミノーやバイブレーション、ジグヘッドワームで10cmから30cmを深度のブレの範囲で、デットスローで移動させるので、底バチパターンと表現されることも多い。
底を探る場合は、底を這わせる、または、小さくジャンプさせるアクション(ボトムノック)も忘れないようにする。
もちもん、表層に浮いて待つこともあるので、表層をチェックすることも忘れないようにしよう。
- 水平移動の距離が長ければ長いほど有利
- 反応が出たカウント(タナ)に固執せず、上下も小まめに探る
- テールスライドしないスピードと得意ルアーを体得する(使用タックルでまったく特性が変わってしまうため)
どうしても根がかりが多発するのでコストも頭に入れると、ワゴンで売られている、安いバイブレーション、中古ルアー、ジグヘッド+ワームがお勧めとなる。
社会工学の知見から言わせていただくと、メディアが宣伝するような高いルアーを使っても釣果は伸びない。みんなが投げているから、露出が多く、釣れているように見えるだけだ。1000円以上もするバイブレーションを投げる心理は、私には理解できない。根がかりするように使うからだ。
ハゼをメインに捕食している場合、かけあがりの障害物に引っ掛かり、力を入れてルアーを引き、引っ掛かりが外れた拍子にルアーが浮き上がるなどの変化が発生、リアクションで喰ってくるケースが多い。シーバスは考えている以上にルアーを長時間にわたり見ている。
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その3 合わせにも気を配りましょう
上記で記載してきたとおり、カニパターンでは居つきをターゲットにする釣り方となるので、場を荒らさない(むやみに警戒心を与えない)合わせが必要となる。
スローリトリーブにより喰いついたシーバスは、喰いついた後、その場にジッとしていていることが多い。反転食いをしないのだ。大型になればなるほど顕著であり、根がかりと間違える程だ。
手ごたえがあった場合、即合わせは禁物で、穂先を「チョンチョン」と振ってみながら、リトリーブ速度を維持するように「聞き合わせ」してあげると、針から外れてもゴミと思うのか、次にも食ってきてくれることが多い。
幸運なことに、動いたら思い切り合わせる。やりとり後にバレてしまった場合は深追いせず、後日、チャレンジする気持ちも大事であり、居たことをしっかりデータとして保持する。
クラゲやゴミに引っかかるあたりを勘違いしてしまい、無駄な時間を費やさないようにする。
その4 釣れるピンポイントは秘密にしましょう
上記で簡単に説明したが、「爆釣症」と揶揄されるように爆釣し続け、 データを取り続けると、シーバスの付く場所が顕著であることが理解でき、予想が当たるようになる。したがって、初場所に挑んでもシーバスを釣る確率が高くなる。
爆釣というより「ホゲらない釣り」に近い「カニパターン」は「ピンポイント」を知っているということで成り立っているので、地道に得たピンポイントは秘密にしておき、困ったときの「坊主逃れ」的に活用してください。
どうしても教えなければならない(教えたい)時は、大まかなポイント名称を伝えるようにすれば良い、過酷な労力で得たピンポイントは水中なので行ったところで簡単には探せないし、聞いて行くようなアングラーの腕は大したことはない。
人にポイントを聞くアングラーは、大概、他人に話す。釣れないが有識者として振舞いたいからだ。釣法も同じだ。自分と比べ、圧倒的な釣果を上げている人間を理解するうえで、下げる要素を探し、公言することで自分を正当化する人間の性(さが)も理解しておくことが大事だ。